【ブログ】以外と知らなかった?ヘアカラーの知識
~目次~
▶ヘアカラーで髪が染まる理由は?
▶ヘアカラー剤の成分
▶ヘアカラー剤の種類
▶ヘアカラーを長持ちさせるポイント
▶シャンプーのヘアカラーへの影響とその対処
▶天然成分(オーガニック)のカラー剤
最近ではヘナカラーなどナチュラルな成分の新たなヘアカラー剤など
注目が高まっている<ヘアカラー>。
みなさんはヘアカラーについてどこまで知っていますか?
▶ヘアカラーで髪が染まる理由は?
一般的なヘアカラーは、1剤と2剤という2種類で構成されています。
1剤の成分は主に“染料”と“pH調整剤”、2剤の成分は“酸化剤”です。
この1剤と2剤を混ぜることで発色します。
1剤と2剤を混ぜたものを混合液と呼ぶのですが、これを髪に塗ると、
1剤に含まれるpH調整剤が髪のキューティクルを開きます。
すると、混合液が髪の内部に浸透していき色をつけていきます。
発色した染料の分子は結合して元より大きくなるという性質があるので、
髪の内部に浸透した後は閉じ込められるというわけです。
▶ヘアカラー剤の成分
先ほど1剤や2剤の主成分を述べましたが、
もちろんそれだけではありません。
・1剤
[染料]
酸化染料、カプラー(調色剤:主にトーンを調整する役割)、
直接染料などが配合されています。現在は約50種類あります。
[pH調整剤]
アルカリ剤とも呼ばれるもので、
毛髪に残留しにくいアンモニアが0~15%の濃度で含まれています。
アルカリ剤には2つの役割があり、
ひとつはキューティクルを開く役割です。
これによって染料や過酸化水素などの有効成分が浸透しやすくなります。
もうひとつはメラニンの分解を促す役割です。
[クリーム基材]
油脂類+界面活性剤で1剤全体を乳化させる役割があります。
取り扱いやすい上に、毛髪の保護効果も高いことから、
最近はクリーム状の製品のシェアが液状よりも大きいです。
[コンディショニング剤]
湿潤剤や増粘剤ともいい、髪の栄養の流出を抑える。
ヘアカラー剤を使う際、キューティクルを開くので、
髪の中にあるケラチンや 油分が流出してしまいます。
その際に流出した髪の栄養を補うため、
油分やケラチンが配合されています。
また、流出しにくくするため、
粘度や付着性を高める成分も含まれています。
[安定剤]
システインなど、
酸化染料の劣化を防止する酸化防止剤が配合されています。
また不純物となる金属は製品を劣化させてしまいます。
その防止にEDTAなどのキレート剤が使用されており、
金属を包み込む(マスキングする)性質があります。
[香料]
アンモニア(アルカリ剤)の刺激臭などを和らげます。
・2剤
[酸化剤]
過酸化水素水で、日酸化染料を酸化し発色させる役割があります。
また、メラニン色素を分解して脱色させる役割も担っています。
過酸化水素水の濃度のことを“オキシ濃度”といい、
脱色する強さの度合いを“リフト力”といいます。
ちなみに、日本では6%まで配合が認められています。
[pH調整剤]
一般的にリン酸が使われます。
過酸化水素水はpHが大きいと不安定になり分解しやすくなるため、
酸性に調整して安定させます。
[乳化基剤]
油脂類+界面活性剤でクリーム状にする役割があります。
[安定剤]
フェナセチンで、過酸化水素の安定剤として使用されています。
▶ヘアカラー剤の種類
ブリーチ(脱色剤)
髪の色を明るくする作用があります。
仕組みは、含まれているアルカリ剤が髪のキューティクルを開き、
毛髪内部のメラニン色素を分解することで色が明るくなります。
脱色目的の薬剤ですので、髪を明るくすることしができず、
ブリーチだけでは暗めの色など、
カラーのバリエーションはあまり期待できません。
ヘアカラー(永久染毛剤)
永久染毛剤のひとつである酸化染毛剤は、
脱色しながら染めていく作用があるカラー剤です。
黒髪を明るくしたり、理想の色を出したりすることができます。
さらに、シャンプーをしても色落ちせず、2~3ヶ月持続します。
ただし、肌への負担も大きく、
アレルギー反応などを起こすことがあります。
毎回必ずパッチテストが必要です。
ブリーチ作用がない非酸化染毛剤もあります。
ヘアマニキュア(半永久染毛料)
代表的なものは“ヘアマニキュア”と“酸性カラー”があります。
バリエーションが幅広く、色合いはもちろん、
ツヤと潤いを与えるカラー剤です。
色素が髪のキューティクルの隙間から浸透することで髪が染まります。
ブリーチ力がないため、黒髪を明るくするということは難しいですが、
髪を痛めることはない上に、
皮膚への負担も軽くパッチテストが基本不要です。
ただし、シャンプーの度に少しずつ色落ちしていく特徴があります。
一時着色料
スプレーなどで一時的に毛髪の表面に着色剤を付着させ、
シャンプーで簡単に落とせるヘアカラーです。
髪の内部に浸透する作用はなく、
皮膚トラブルや髪の痛みもほとんどありません。
1日だけのオシャレ目的などで利用されます。
▶ヘアカラーを長持ちさせるポイント
次の3つのポイントがあります。
・シャンプー
・ドライ
・日常生活
・シャンプー
カラーが定着するには3日~1週間かかります。
カラー当日のシャンプーは控え、できれば2日後がベストです。
シャンプーはサロンシャンプーを使い、
38度ぐらいのお湯で洗うと色持ちが良くなります。
・ドライ
タオルであまりゴシゴシとせず、ポンポンと挟むように水分を取ります。
高温ドライは避けて髪から10㎝ほど離してドライしましょう。
洗い流さないトリートメントをつけると熱から保護することができます。
・日常生活
とにかく紫外線から守ることです。
日傘、帽子、UVスプレーなどで防止に努めましょう。
コテやアイロンを使う際は必ずヘアケア剤をつけて保護します。
▶シャンプーのヘアカラーへの影響とその対処
ヘアカラー後に、日が経つにつれて気になるのが色落ちです。
これには毎日使っているシャンプーが大きく影響します。
市販されている一般的なシャンプーは洗浄力が強いものが多いです。
洗浄力が強いシャンプーを毎日使用すると、
髪内部に浸透したカラー剤が抜けやすくなり
退色の原因になってしまいます。
ヘアカラー後は、
髪を優しく洗いあげるタイプのシャンプーがオススメです。
また、洗浄力が強いシャンプーは、頭皮も乾燥させてしまいます。
シャンプーの成分表記に、
以下のものが上位に含まれていないものが良いでしょう。
★ラウリル硫酸Na
★ラウリル硫酸TEA
★テトラデセンスルホン酸Na
★パレス‐3硫酸Na
★ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na
美容室・ヘアサロンで販売されているシャンプーが良いとされる理由は、
ひとつに一般的なシャンプーとの洗浄成分の違いにあります。
一般的なシャンプーはなるべくコストを抑えつつ、
洗浄力を強くするために先ほどの述べた成分が含まれています。
使用した際に実感できる香りや手触り重視で、
髪の毛にはあまり良くありません。
それに比べてサロンシャンプーの多くは、
アミノ酸系洗浄成分を使用しています。
天然素材由来であるアミノ酸系シャンプーは、
髪や頭皮に優しい低刺激性です。
▶天然成分(オーガニック)のカラー剤
植物・食物から成分を取り、作られるカラー剤です。
美容室・ヘアサロンのメニューの低価格化が進む一方、
髪のダメージを気にする人は増え、
天然成分はとても注目されています。
メリットやデメリットも踏まえて紹介します。
ハーブカラー
ハーブを使ったカラー剤全般のことを指します。
複数のハーブが入っていることが多く、
商品によって含まれるハーブの種類は異なります。
一般的に知られているハーブカラー剤の特徴は、
★カラー剤独特の臭いが少ない
★植物から取った成分なので、髪のダメージがない
★地肌にも優しい
★色が入りにくい(黒髪を明るくできない)
天然成分のカラー剤は価格が高いことや、染まりにくいことから、
科学薬品と混ぜて作られたカラー剤が多くなっています。
また、商品によって含まれるハーブの割合も異なります。
100%ハーブのものでなくても
通常のカラー剤に比べれば髪の痛みは軽減されますが、
アレルギー反応は通常のカラー剤と同様に出ることがあります。
敏感肌の方や薬剤でかぶれてしまう方は、
ハーブカラーというネーミングであっても、成分の確認が必要です。
ヘナ
一番有名な天然のカラー剤ではないでしょうか。
ヘナとはハーブの一種で、この<葉>が染料の原料になります。
色は赤褐色、オレンジ系になりますが、脱色作用がないため、
黒髪を明るくすることには向いていません。
この特徴から、白髪染めに入っていることが多いです。
不自然な黒髪ではなく、天然成分ならではの自然な色になります。
髪の痛み具合や染める前の色によって、染め上る色が異なり、
ヘナだけだと希望通りの色にするのは難しいです。
1度のカラーリングではあまり染まらず、
何度か繰り返すことで色が出てきます。
さらに、傷んでいる髪の場合は特にカラーが定着するまで時間がかかり、
施術時間が長くなります。
健康な髪であれば、ヘナで染めた色は自然には落ちにくいです。
ヘナの色素・成分は強いため、ヘナで染めた髪の上から
他のカラー剤にて色を変えることは難しいです。
使用前にカラーリングに詳しい美容師(カラーリスト等)に
相談することをオススメします。
また、ヘナ100%のカラー剤であれば
ヘナ自体にトリートメント効果があるため、
ハリ・コシが出るなど、ダメージの回復も実感できます。
回数を重ねるごとに、
色はもちろん、髪自体もキレイになっていきます。
かぶれなどのトラブルの可能性も低いですが、
植物アレルギーのある方は反応することもあります。
パッチテストは必要です。
今回はカラー剤についてお話しましたが、
新たな発見はありましたでしょうか?
ヘアカラーとの付き合い方を意識するキッカケになれば嬉しく思います。