【ブログ】金属アレルギーで髪の毛を失う?
~目次~
▶金属アレルギーの本当にあった話
▶金属アレルギーの原因
▶金属アレルギーの原因物質は?
▶発症リスクの高い金属と低い金属
▶金属アレルギーの予防策
▶金属アレルギーの本当にあった話
ほとんどの髪の毛を失ってしまった、ある女性の話。
ある日、シャワーを浴びて髪を洗っていると、
髪の毛が大量に抜け始めたのだそうです。
近所の皮膚科の診断では“円形脱毛症”とのこと。
以前にも円形脱毛症になったことがあり、再び治療を始めたものの、
回復しないことから別の皮膚科へ行ったのだそうですが、
やはり円形脱毛症と診断されました。
一向に回復傾向が見られないため、
都内の大学病院へ行きましたが診断結果はやはり同じで、
ステロイド剤を注射する治療を開始することに…。
しかし、3か月でほとんどの髪の毛を失ってしまったそうです。
人前に出ることもなくなり家に引きこもるようになったのですが、
体調が優れず、かかりつけの内科医を訪ねたところ、
たまたま知り合いの皮膚科を紹介しもらい
診察してもらうことになりました。
そこでの診断が<金属アレルギー>による脱毛症。
アレルギー検査で金属の“ニッケル”に対して陽性ということが判明し、
なんと30年前の小学生の時に虫歯治療で歯に詰めた金属、
そのニッケルが原因であることがわかりました。
長い年月をかけて、その詰め物の金属が少しずつ溶け続けて
体内に運ばれ、アレルギーが引き起こされたのだそうです。
歯科医から歯の詰め物を除去してもらったところ、
すぐに髪の毛が生え始め、1年でほぼ元通りになったそうです。
▶金属アレルギーの原因
金属アレルギーと聞いて、
金属が直接お肌に悪い影響をもたらしていると思っていませんか。
“金属が汗などと反応すること”が引き金になっている場合があります。
金属は汗や体液などに触れることによって、
金属成分が微量に溶け出してイオン化します。
このイオン化した金属が体のタンパク質と結びつくことで、
体に本来存在しないタンパク質(アレルゲン)が作られます。
人間の体には自己免疫作用があり、
白血球が異物を退治することで健康を保っていますが、
金属イオンはもともと体には存在しないものなので、
体は異物と判断し、白血球が攻撃を始めます。
この“攻撃”が金属アレルギーの原因になるのです。
一度白血球に異物とみなされてしまうと、
それ以降ずっと異物とみなされてしまうため、
一度でも金属アレルギーを発症すると完治は難しいです。
金属アレルギーの症状
原因となる金属に接触してすぐ、もしくは数日後に
赤みやプツプツができたり(じんましんや湿疹のような症状)、
腫れやかゆみが出てきたり、
ひどい時には発熱や全身の倦怠感などの症状が出る方もいます。
そして、結果的に抜け毛という症状を引き起こす場合があります。
▶金属アレルギーの原因物質は?
ピアス・時計・ネックレス・指輪・・メガネ・歯に詰めた金属など、
いたるところで金属は使われています。
ビューラーに使われている金属が原因で
アレルギーを発症したという報告もあります。
また、ピアスはピアスホールの状態が完全でない場合など、
直接体液や血液などに金属が触れている状況ですので、
アレルギーを発症しやすいです。
事実、金属アレルギーになる方の約8割が
“ピアス”が原因と言われています。
そして、金属は自然界に存在するものですので、
食物にも微量に含まれています。
例えば
★チョコレート
★大豆製品
★玄米
★コーヒー
などに含まれている微量のニッケルで反応する方もいます。
どうして金属アレルギーになる方とならない方がいるの?
アレルギーになるかならないかは、
★汗をかきやすさ
★皮膚が厚さ
★体調や免疫力
など様々なことが考えられますので、
“これ”と断定できるものではありません。
▶発症リスクの高い金属と低い金属
発症リスクの高い金属
代表的な金属は以下になります。
★ニッケル
★コバルト
★水銀
★クロム
★銅
★スズ
“金属アレルギーになりやすい”=“溶け出しやすい金属”とも言えます。
特に“ニッケル”や“コバルト”は非常に加工しやすく安価なため、
私たちの身近にある様々なものに使用されています。
そのためか、金属アレルギーの原因は“ニッケル”が多いです。
安価なメッキアクセサリーの下地に使われていることが多く、
メッキが剥がれて下地が露出してしまうと、
肌に直接触れる状態になるため注意が必要です。
発症リスクの低い金属
代表的な金属は以下になります。
★金
★銀
★白金(プラチナ)
★チタン
★ステンレス
アレルギーになりやすいメッキに対して、
“純金”などはアレルギーになりにくいです。
例えば、K24の表記は純金ですが、
K18の場合は24分の18、つまり4分の3(75%)が金で、
残りの4分の1は金に強度と加工のしやすさを加えるため、
別の金属が使われています。
“銀”や“白金(プラチナ)”なども同様に、
一般的な宝飾品は合金が多くを占めるので、
割り金として使われている別の金属が
アレルギーの原因になる可能性も考えられるのです。
▶金属アレルギーの予防策
金属アレルギーを発症してしまうと、
その体質は基本的に元に戻ることはありません。
発症しないように日頃から注意することが重要です。
では、具体的にどのようなことに注意しなければならないのでしょうか。
1)アクセサリーはお肌に優しい素材を選ぶ
“ニッケル”が使われている商品はできるだけ避けるようにしましょう。
最近では<ニッケルフリー>と表記された商品も
多く販売されています。
安価なアクセサリーを購入する場合は特に注意しましょう。
2)汗を多くかく場面ではアクセサリーを身に着けない
身に着ける金属の素材にもよりますが、
先ほどお話しした金属が溶出しやすい素材のアクセサリーは、
金属アレルギーを予防するという観点からは、
できるだけ身に着けないようにしたほうがいいかもしれません。
3)歯科金属をつけている場合は清潔に保ちましょう
金属が口腔内で溶け出さないように清潔に保つことも重要です。
薄毛・抜け毛が気になっている方やもちろんそうでない方も、
今回の記事が何かの参考になれば嬉しく思います。