【ブログ】化粧品の成分とは?~3つの基本成分や美容成分~
~目次~
▶3つの基本成分で構成されている
▶基本成分以外の成分とは?
▶化粧品は成分配合のバランスが大切
▶まとめ
化粧品の成分といえば、ヒアルロン酸やコラーゲン…
などの美容成分を思い浮かべる方も多いですよね。
しかし、化粧品の約7割は“基本成分”と呼ばれる
3つの成分でできています。
美容成分ももちろん大切ですが、
良い化粧品作りには”良い基本成分”が
最も重要なポイントとも言えるでしょう。
そこで今回は、化粧品成分の基礎知識について
お話ししたいと思います。
▶3つの基本成分で構成されている
化粧品は基本成分(基材)と呼ばれる3つの成分が、
全体の7~9割を占めています。
基本成分とは、以下の3つです。
・水性成分
・油性成分
・界面活性剤
これらのバランスによって、
クレンジングや化粧水・乳液などが作られます。
まずはそれぞれの役割を見ていきましょう。
[水性成分]
水性成分とはその名の通り、
水に溶けやすい性質の成分。
肌の保水を目的とした化粧水などのスキンケア商材は
水性成分を多く含んでいます。
水性成分の中で最も多く使用されるのが、
精製水です。化粧水や乳液の成分表示を見ると、
1番最初に水と記載されていることがほとんど。
精製水でも十分良い化粧水を開発できますが、
基本成分にこだわるのであれば
シンプルな水をベースとするのではなく、
・温泉水
・果実水
・ハーブ水
などを使用すると、他メーカーとの差別化を計れます。
これらの水性成分は水の中に
ミネラルやアミノ酸などの成分を含んでいるため、
より美肌効果を期待できるでしょう。
[油性成分]
油性成分とは、
オイルなどの水に溶けない性質を持つ成分のこと。
皮膚表面に保護膜を作るため、
高い保湿効果やエモリエント効果が期待できます。
乳液・クリームに油性成分が配合されているのはもちろん、
化粧水には油性成分が含まれているものもあります。
水性成分の蒸発を防ぐため、
潤いを長時間キープするためには欠かせない成分です。
油性成分は種類が非常に多く、
液体・半固形・固形やサラサラ・しっとりなど
様々なテクスチャーが存在します。
水性成分との相性や作りたいアイテムによって
使い分けることが重要です。
ただし、水と油は混ざり合わないため、
水性成分と油性成分だけで化粧品は完成しません。
そこで活躍するのが“界面活性剤”という成分です。
[界面活性剤]
界面活性剤とは、水に馴染む性質・油に馴染む性質の
両方を兼ね備えた成分のこと。
水性成分と油性成分を合わせた液体に界面活性剤を加えると、
乳化が起こり化粧品のベースが完成します。
界面活性剤は乳化だけでなく、
洗浄の働きを持つ種類も。
肌の皮脂やメイクなどの油分は水だけでは落とせませんが、
界面活性剤を活用することで落とすことができるのです。
ただし、界面活性剤の配合量が多すぎると、
肌の必要な潤いや皮脂まで奪うことがあるため
「界面活性剤=肌に悪い」というイメージがついています。
しかし、界面活性剤を使用せずに
化粧品を完成させるのは非常に難しいこと。
いかに肌への刺激を抑えながら配合できるかが、
開発者の腕の見せ所と言えるでしょう。
また、界面活性剤の中でも特に“合成界面活性剤”は、
敏感肌だと刺激を感じることも。
肌に優しい化粧品作りを考えているなら、
合成ではなく天然由来やアミノ酸由来を選ぶのがおすすめ。
成分のコストが上がるというデメリットがありますが、
マイルドな使用感で敏感肌の方でも使いやすいですよ。
最近ではあえて界面活性剤を使用しないという
化粧水も登場しています。
水性成分と油性成分が混ざり合っていないため、
2層構造になっているのが特徴。
ドレッシングのようにシェイクすることで
一時的に水と油を混ぜ合わせるという方法です。
液状ではない乳液やクリームに
取り入れることはできませんが、
化粧水であればこちらでも問題ありません。
水性成分か油性成分のどちらかを着色すれば
デザイン性も得られるため、
シンプルな透明ボトルでもおしゃれに見えます。
トレンドを取り入れた化粧水を求めるなら
界面活性剤を使用しないのも一つの手でしょう。
▶基本成分以外の成分とは?
実は基本成分だけでは化粧品の品質を守るのが難しく、
残りの約3割の成分も重要な役割を持ちます。
大きく分けると機能性成分・安定化成分・その他の成分に
分類できるので、これらについてもお話ししましょう。
[機能性成分]
機能性成分とは、一般的に「美容成分」や「有効成分」と
呼ばれる成分のこと。
化粧品に機能性を追加することが目的で、
・肌の保湿
・シミ、そばかすの予防
・毛穴の引き締め
・ハリケア
などが挙げられます。
「機能性成分を入れれば入れるほど良い」は間違いで、
これらは量が多いと効果を発揮しなかったり、
肌の刺激になったりする場合があります。
そのため最大配合量が決まっている成分も。
例えば、ヒアルロン酸であれば
たった1gで2~6Lの水分を抱え込むのが特徴。
化粧品に1%配合すると
ゼリーのようなテクスチャーになるため、
基本的には1%以下しか配合しません。
このように機能性成分は少量でも
十分に効果を発揮できる成分が多く、
配合量が少なくても化粧品に機能を加えられます。
[安定化成分]
化粧品の品質を保つためには、
安定化成分の配合も欠かせません。
安定化成分の目的は、化粧品の変質を防ぐこと。
主に防腐剤・酸化防止剤・キレート剤・
pH調整剤・増粘剤が挙げられます。
[防腐剤]
化粧品はどれだけ衛生面に気をつけて製造しても、
開封後は消費者の手や空気に存在する微生物が侵入し、
容器内で繁殖する可能性があります。
エアレス容器など空気が入らない資材を使用しても
完璧に防ぐことは難しく、菌の繁殖を防ぎ品質を保つ
防腐剤を配合するのが有効な手段です。
防腐剤は肌への刺激も考えると、
なるべく少量で効果が得られる成分を配合するのが理想。
パラベンやフェノキシエタノールを使用するのが一般的です。
[酸化防止剤]
油分が配合された化粧品は
空気に触れると酸化する恐れがあるため、
酸化防止剤を配合します。
酸化とは物質に酸素が結びつくこと。
化粧品は酸化すると、
肌が刺激を感じたり色やニオイの変化が現れたりします。
これを防ぐために配合されるのが、
ビタミンE(トコフェロール)などの酸化防止剤。
自らが酸素と結合して酸化することで
他の物質が酸化するのを防ぎ、
化粧品の品質を維持します。
[キレート剤]
化粧品の品質を低下させる金属イオンから、
化粧品を守る役割があります。
金属イオンは少量でも化粧品に混在すると、
色・ニオイの変化、乳化の破壊などを引き起こすため、
キレート剤で金属イオンの働きを防止。
EDTA-2Naという成分を使用することが多いです。
[pH調整剤]
pHとは、物質の酸性・アルカリ性の度合いを表すもの。
0~14の数値基準があり、
7を中性として7以下が酸性、
7以上がアルカリ性です。
人間の肌はpH4.5~6.5のため、
化粧品もこれらのpHに調整する必要があります。
クエン酸などの成分を配合し、pHを調整します。
[増粘剤]
高分子とも呼ばれる増粘剤は、
化粧品のテクスチャーを決める大きな役割があります。
化粧品は肌への効果だけでなく、
使用感の良さも消費者にとっては重要。
そこで増粘剤を配合することで、
適度なとろみを加え機能性を安定させます。
さらに乳化の分離を抑制する働きも期待でき、
乳液やクリームに多く含まれる成分です。
[その他の成分]
化粧品に配合されるその他の成分は、
香料や色剤、温感・冷感成分などです。
これらの成分は化粧品の見た目や香り、
使用感を良くするために使用します。
特にメイクアップ化粧品の場合、色剤は必須。
スキンケアだと使用しない場合も多く、
その他の成分は開発する製品によって
配合するものが異なります。
▶化粧品は成分配合のバランスが大切
化粧品は7〜9割が基本成分です。
そのため、基本成分にこだわらずに
良い化粧品は完成しないとも言えるでしょう。
しかし、残りの成分も化粧品を開発する上で
とても重要な役割を担っています。
全ての成分をバランス良く配合することが、
”良い化粧品”に仕上げる大きなカギです。
▶まとめ
化粧品の成分は非常に奥深いもので、
「この成分を入れれば良い」というわけではなく、
全成分のバランスが重要です。
今回の話が少しでも役に立てば幸いです。